感情吐露をつらつらと

漫画、アニメなどの感想を書いていきます。

『生きているなら、前へ』 鬼滅の刃第204話『鬼のいない世界』感想

 

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失われた命は回帰せず、たくさんの優しい人達を失って、亡くして、それでも時は流れて、託された思いを繋いで繋いで、生きていく

 

 

ということで皆さんこんばんは、しきしゃです。

今回は今週の鬼滅の感想となります。鬼滅の感想は初めてですが、書いておきたいと思ったのでここに残しておこうと思います。

それでは感想へ。

 

 

 

無惨との最終決戦から三ヶ月、ようやく、ようやく悪い鬼がいない世界になりました。

 

いろいろな時代の人、様々な状況にあった人、託した人、託された人、繋いだ人、繋がれた人、助けた人、愛した人、愛された人、救われた人、支えた人、戦った人、その全ての優しい人達のおかけで迎えることが出来たこの慈しい世界で、炭治郎と禰豆子は蝶屋敷で激闘で負った傷の治療を受けていました。

 

最後まで蝶屋敷は炭治郎達の癒しの拠り所なんだなぁと思えて個人的にとても好きです。

 

話を戻して、炭治郎の無惨による鬼化の影響で回復した右目や左腕ですがどうやら形だけを保てているだけのようで機能自体はまったく元に戻っていないようですね。

ここら辺の厳しさがこの鬼滅という作品の絶対的な揺るぎない一つの筋ですよね。回復してなかったのか、と一瞬悲しく思いかけましたが炭治郎達鬼殺隊は『人』の身で『鬼』を滅することの人という生き物の誇りを持って戦っていたので、僕が悲しく思うのは違うなとすぐにやめました。でも、治っていて欲しいと思う気持ちも本当でした。

 

そんな機能回復は出来てない自分の怪我よりも炭治郎は他の皆の怪我、自分がきっかけで傷ついてしまった人達への謝罪の念を述べます。が、そこは禰豆子がその傷つけられた人達全員が言うだろう言葉を炭治郎に言ってくれました。慰めではなく、本当にそう言うだろうと信じれる言葉、人達なので、どうか炭治郎にはそれ以上の自責を背負って欲しくはないなと思います。

 

そんな2人の会話から今回の話は生き残って、やり遂げた人達のその後について触れられていきます。

 

まず愈史郎とのやりとりから。愈史郎が言うには炭治郎が鬼から人間に戻れたことにはちゃんとした理由があったそうですね。

ここら辺、鬼滅はしっかりと読者が納得できるような情報を戦いが終わった後に提示してくれるので、勢いで読んで納得していたところを、改めてどういう状況でどんな状態だったからこうなったという筋道を理解できてより納得できて気持ちが良いです。

 

そしてそんな愈史郎との会話の最後、どこかへ向かおうとする愈史郎への炭治郎の「愈史郎さん死なないでくださいね」

炭治郎のこういう静かで、でもきちんと相手の心に一番届くような言葉を話すところがとても好きです。本当に好きです。義勇さんの時の言葉なんかもそうでしょうか。

決して相手を納得させようとも説得しようともせず、ただ、相手へ自分が思っている言葉を素直に伝える。伝えるだけで相手は分かってくれる人だから。心配はもちろんしているけれど、恩着せがましい雰囲気などもかけらも無く、ただその言葉を伝える。そういう炭治郎の心と言葉が大好きです。

その後の炭治郎の珠世さんのことをずっと覚えていられるのは愈史郎さんだけです、という言葉も愈史郎にとってはとても大事な言葉になったと思います。自分がなによりも愛した人のことを覚えていられるのは自分だけ。

その後ふらりといなくなってしまったようですが、珠世さんのことをずっとずっと想い続けて生きていたのだろうなということだけは思えました。

 

次は最後の柱合会議のシーンです。とても広く感じてしまう部屋で寂しい気持ちに襲われました。

最後の柱となった義勇さんと実弥に御館様から正式に鬼殺隊の解散が告げられます。長い長い鬼狩りの歴史がようやく絶たれるわけですね。絶たれるというとなんだが言い方が悪い気がしますが、鬼狩りの歴史が絶たれ、理不尽な不幸に誰も襲われることがない時代の到来を望んでいた人達の組織であるのですから、絶たれたでいいかなと思います。

御館様はこれまでの産屋敷一族一同を代表して子供達の代表である柱2人にお礼を伝えますが、義勇さんと実弥はその言葉に更に言葉を返します。「今までの鬼殺隊の存続はなによりもまず御館様達の奮闘があったからこそだと、貴方達がいたおかげで私たちは最後まで戦い抜くことができたのだ」と。

そして『御館様』ではなく、御館様の役割を受け継いでいる輝利哉に向かって「あなたは立派に御父上に託されたことをやり遂げた、あなたのことを御父上含む産屋敷家の皆様が誇りに思っているでしょう」と。

この言葉を受けた後の輝利哉達の年相応の涙が良いですね。やっとこの子達も重大な責を負う御館様ではなくなることができる。それを見た義勇と実弥の笑顔もまた良かったです。

 

この後はまた場面が炭治郎の治療部屋に戻ります。にぎやかモード突入です。

まずは天元さん一派。いや一派というよりは夫妻なのですがこの人達はいつもにぎやかで見ててとても楽しいですね。頼れる兄貴達がやってきたって感じで一気に場面が明るくなる感じ。

 

続いては煉獄家の2人がお見舞いにやってきます。

ここの天元さんの煉獄(父)への「旦那!」って呼び方良いですよね。なんか凄い好きです。そして炭治郎に抱きついてる千寿郎くんは超可愛い。千寿郎くんにとっては2人目のお兄ちゃん、いや友達かな?とにかく炭治郎のことが大好きな様子が伝わってきて超微笑ましい。

そしてやはり初対面での一件を今でも引きずっているであろう槇寿郎さんも炭治郎の前に申し訳なさそうにやってきます。炭治郎がまったく初対面の時の一件を気にせずに「ご無沙汰してます!」と超元気に挨拶してて笑いました。

槇寿郎さんは炭治郎に煉獄さんが自分の刀の鍔をつけて戦ってくれたことを喜んでいるだろうと感謝の意を告げています。それに対し炭治郎も自分がどれだけ煉獄さんの言葉に助けられてきたかを伝えます。

 

煉獄さんの言葉に救われた人間というのは炭治郎や千寿郎くん、そして槇寿郎さん以外にも沢山います。僕がその中の1人です。煉獄さんの言葉はずっとずっと、届いた誰かの胸にずっとずっと残り続けると思います。少なくとも、僕の胸には絶対に。ありがとう、煉獄さん。

 

と、そんなこんなで盛り上がっていた病室に今度は隠、刀鍛冶の里の皆、そして村田さんもやってきます。ここの善逸のツッコミがキレッキレでクソ笑いました。「病室がギチギチになるんだよ!!」

 

そんなギチギチの病室をズリズリ抜け出した伊乃助はアオイがいる台所へ。盗み食いをしようとした伊之助にすぐさま気づいたアオイに怒られてしまいます。そして怒られた後にアオイから自分専用のご飯のお盆を差し出され、それを受け取ります。その後のほわほわの空気と、伊之助の満面の、本当に満面のこっちまで笑顔になるような可愛らしい笑顔がとても良かったです。とても好きです。何度も見ちゃいます。

 

そんな騒がしくも賑やかな喧騒の中、炭治郎は満開の桜の木の前にいるカナヲに声をかけ、桜の木は初代花の呼吸の剣士が植えたものであり、"必勝"という名前がついていることを聞きます。

その願いが叶ったことを初代の人に教えてあげたいという、自分の願いを、自分の心の思うままのことを、カナヲは何の枷も縛りもなく、可愛らしい笑顔で呟いていました。

 

カナヲ、両眼とも失明していなくてほんっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっとうに良かったです。超安心嬉しいでした。

 

カナヲの心はこれからもどんどん強くなって、そして優しくなっていくんだなと思います。

 

心はどこまでも強くなれる。

 

 

ここでカナヲは風柱から蛇柱の友達である鏑丸を貰ったことも炭治郎に話しています。

 

鏑丸、生きていて本当に良かった。きっと、伊黒さんは鏑丸だけは最後の最後まであの戦闘中も守りきっていたんだと思います。自分の一番の親友を。なんかもうここで一番泣きそうになりました。良かった。本当に。

 

そんな鏑丸をカナヲに託した実弥は廊下で禰豆子と出会います。なによりも憎むべき存在である鬼であった禰豆子にしたこともろもろ含むことについて「悪かった」と謝ります。禰豆子はまったく気にしてないという感じで(実際にもうなんとも思ってないでしょう)「自分は2年間も寝てたことあるんですよ」とこれまた満面の笑みで答えます。竈門兄妹のこういうところがまあもう言わずもがなですね。

 

そして「私寝るの好きです」から昔の弟を思い出す実弥。

ここのシーンがまたもう涙腺を揺さぶってくるというか玄弥のことを思い出して、不死川兄弟の絆を思い出してしまうというか。禰豆子を撫でる時の実弥の表情がものすごく優しくて、もし玄弥が生きていればこの優しい笑顔を向けていたんだろうなと、そう思いました。悲しくて、優しいなと。

 

そしてここでまさかの自分の頭を撫でて去っていく実弥を見ての禰豆子の恋のようなドキドキ顔。これには善逸もブチ切れ。長男はやっぱりモテるんだよなぁ。

登場人物全員に思っていますが、実弥にはこれからの人生で共に歩む人を見つけて幸せに暮らして欲しいと思います。

 

最後は義勇さんと鱗滝さん。この2人がいてこその竈門兄妹の物語。この4人の幸せそうなコマはもう言うことないですね。最高です。

 

そんな生き残った人達とのやりとりをしつつ、炭治郎禰豆子善逸伊之助の4人はお墓参りをして、三郎じいちゃんと再開し、家族が待っている竈門家の家に帰ってきます。

 

戦いの物語の始まりであり、そして終わりの場所である竈門家の家。そこにこの4人がこうして帰ってこれて良かった、本当に良かった。善逸も伊之助も一緒というのは考えてなかったのですが、この2人がいたら竈門兄妹の暮らしはとても楽しいものになることでしょう。

そんな4人がワッハッハと仲良く暮らしながら、物語は現代に移ります……………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現代!?!?!?!?!?!?!?!?

 

 

 

 

・まとめ

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ということでなんか書き始めたら止まらなくなりほぼ全部のページに触れてしまいました鬼滅感想のまとめとなります。

 

最後の最後で爆弾というかなんというかまったく予想がつかない展開になりましたね。

正直読みながら僕「今週が最終回かもう一話数年後の未来の話で終わりかな」と思っていたのですが、余りにも未来すぎてクソビビりました。現代て。現代て。

 

いやぁどういう風に物語は終わるんでしょうか。僕の中ではもうここで鬼滅の刃は終わると思っていて、もし何か来週現代での新しい物語が匂わされても、それはまたワニ先生の別のお話ということになると思うんですよね。鬼滅の刃は鬼を滅するお話。それはきっちりと守られる方だと思うので。

 

鬼滅の刃という作品には本当に心がしんどい時、何もかもが暗い時に何度も何度も力を貰いました。何回も何回も読み返して力を貰って頑張っての繰り返しでした。今でもその読んで救われたなぁという瞬間を思い返すことが出来ます。そんな大切な物語がおそらく、来週完結を迎えます。

 

とても面白くとても楽しくとても優しい、日本一慈しい鬼退治の物語。その最後をしっかりと見届けようと思います。

 

ここまでこの感想を読んで頂きありがとうございました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今週の巻頭見開きの時透くんの表情が、とても、とても大好きです。他の皆の表情も大好きです。顔を見せていない煉獄さんも、しのぶさんの全てが終わったという落ち着いた笑みも、楽しげに話している甘露寺さんとそれを微笑みながら見ているであろう伊黒さんも、何かを想い上を見上げている玄弥も、行冥さんの穏やかな笑みも、皆とは逆を向いている珠世さんも。

 

 

ありがとう。